方程式について。
方程式とは、式中の文字に代入する値によって成り立ったり成り立たなかったりする等式のことです。
例:5x-7=8 -> xに5を代入 -> 18=8 -> 等式が成り立たない
例:5x-7=8 -> xに3を代入 -> 15=15 -> 等式が成り立つ
〇等号
等号とは = のことです。
〇等式
等式とは、等号で結ばれた式のことです。
等号の左の項は左辺、右の項は右辺といいます。
また、左辺と右辺はまとめて両辺ともいいいます。
〇解
解とは、方程式を成り立たせる値のことです。
つまり方程式を解くということは、方程式の解を求めるというふうに言い換えることもできます。
〇等式の性質
等式には5つの性質があります。
この性質を利用して、方程式の解を求めていくことが可能です。
① 等式の両辺に同じ値を加算してもその等式は成り立つ。
② 等式の両辺に同じ値を減算してもその等式は成り立つ。
③ 等式の両辺に同じ値を乗算してもその等式は成り立つ。
④ 等式の両辺に同じ値を除算してもその等式は成り立つ。
⑤ 等式の左辺と右辺を入れ替えてもその等式は成り立つ。
両辺を除算する場合の例
・6x+13*60=1500 -> 1x+13*10=250
このような場合は13と60をそれぞれ6で割るのではなく、(13*60)という項に対して6で除算するのが正しい。
〇移項
移項とは、方程式で左辺にあるものを符号を逆にして右辺に、右辺にあるものを符号を逆にして左辺にもっていくことです。
例:x+3=5 -> x=5-3
例:5(x-6)=2x-9 -> 5x-30=2x-9 -> 3x=21 -> x=7
〇実数の方程式について
小数点を含んだ方程式は、すべての実数が整数になる値を両辺に掛けると計算が楽になります。
例:0.1x-2=0.4-0.02x -> 10x-200=40-2x -> 12x=240 -> x=20
〇分数を含んだ方程式について
分数を含んだ方程式は、両辺の分母の最小公倍数を両辺に掛けると計算が楽になります。
例:(2x-7)/3=(1/5)x-2 -> 5(2x-7)=3x-30 -> 10x-35=3x-30 -> 7x=5 -> x=5/7
この分数を含んだ方程式で両辺の分母の最小公倍数を両辺に掛けて整数の状態にすることを、「分母を払う」といいます。
〇文章問題で不明な数が2つ以上ある場合
例えば以下のような問題があるとします。
ボールペンが1本160円です。鉛筆が1本120円です。これらを無作為に12本買ったら料金は1600円になりました。ボールペンと鉛筆をそれぞれ何本ずつ買ったのかを求めなさい。
この問題の場合、求める値はボールペンの本数xと鉛筆の本数yです。
しかしこのように不明な値を2つ以上作ると、当たり前ですがxとyそれぞれの値を整数値として求めることはできません。
160x+120y=1600 -> 4x+3y=40
なのでこのような場合は、ボールペンの本数をxとして、鉛筆の本数を12-xとします。
こうすればxの値をより正確に求めることができます。
160x+120(12-x)=1600 -> 4x+36-3x=40 -> x=4
ボールペンが4本の鉛筆が8本であっているか確認します。
4*160+8*120=1600 -> 640+960=1600 -> 1600=1600
もしそれが可能な場合においては、このように代数を作ることで不明な項目が2つ以上ある場合でもxの値をより正確に求めることができます。
〇同じものを2通りで表す場合の方程式
例えば以下のような問題があるとします。
ある会合の参加者全員にりんごを配るとする。このとき、1人に6個ずつりんごを配ると13個足りないものとする。そして1人に4個ずつ配るとりんごが5個余るものとする。この場合の会合の参加者の人数とリンゴの個数をそれぞれ求めよ。
この場合の方程式は、参加人数をx人とすると以下のようになります。
6x-13=4x+5 -> 2x=18 -> x=9
よってこの会合の参加人数は、全員で18人ということになります。
なのでリンゴの総数は、6*9-13=4*9+5で41個ということになります。
〇速度と距離と時間の方程式
まず以下の3つの原則を覚えます。
①距離=時間*速度
②時間=距離/速度
③速度=距離/時間
この原則を覚えたうえで、例えば以下のような問題があるとします。
aくんが家から学校に向けて徒歩で出発した。その12分後に同じ家からbくんが自転車でaくんと同じ道を使って同じ学校へ向かった。aくんの時速は3.6kmであり、bくんの時速は14.4kmである。この場合、bくんは出発から何分後にaくんに追いつけるか?
この問題では何分後がxとなるので、まずは両者の時速を分速に直します。
aくんの分速:3600/60=60m/min
bくんの分速:14400/60=240m/min
次に、両者が出会うx分後の地点の家からの距離を原則①を使って求めます。
x分後のaくんの距離:60(12+x)
x分後のbくんの距離:240x
ではこれらの値をもとにして方程式を作って解いていきましょう。
60(12+x)=240x -> 720+60x=240x -> 720=180x -> 4=x
よってaくんとbくんは、bくんが出発した時点から約4分後に家から960mの地点で接触する、ということになります。
〇塩と食塩水と濃度の方程式
まず以下の5つの原則を覚えます。
①塩g=食塩水g*濃度%
②食塩水g=塩g/濃度%
③濃度%=塩g/食塩水g
④食塩水aと食塩水bを混ぜるとき、塩と食塩水は加算できる。
⑤食塩水aと食塩水bを混ぜるとき、濃度の割合は加算できない。
この原則を覚えたうえで、例えば以下のような問題があるとします。
4%濃度の食塩水300gに10%濃度の食塩水を混ぜて6%濃度の食塩水を作りたい。この場合、10%濃度の食塩水を何g混ぜればいいか?
この問題を解くには、まず4%食塩水aと10%食塩水bの「塩」と「食塩水」と「濃度」の値を整理します。
・食塩水a
・塩:12g(原則①を参照)
・食塩水:300g
・濃度:4/100(4%)
・食塩水b
・塩:x(10/100)g(原則①を参照)
・食塩水:xg(この問題のxはここ)
・濃度:10/100(10%)
次に、この2つの食塩水を混ぜて濃度6%の食塩水cの値を求めていきます。
・食塩水c
・塩:12+x(10/100)g(原則④を参照)
・食塩水:300+xg(原則④を参照)
・濃度:6/100(6%)
あとはこの値をもとに原則①を使って食塩水cの方程式を作っていきます。
12+x(10/100)=(300+x)*(6/100) -> 1200+10x=6(300+x) -> 4x=600 -> x=150
よって、食塩水aに足す食塩水bの量は150gとなる。
そして問題の解とはぜんぜん関係ないが、この食塩水cの塩量は12+15で27gとなる。
〇その他の練習問題
問題①:長椅子がある。1脚の長椅子に8人ずつ座らせると5人座れなかった。9人ずつ座らせると、2脚の長椅子が余り1脚だけ6人掛けとなった。この場合の人数を求めよ。
イスの数をxとして方程式を作る。
8x+5=9x-18-3 -> 26=x
208+5=234-18-3 -> 213=213
よって人数は213人となる。
別パターンの方程式を作ることもできる。
8x+5=9(x-3)+6 -> 5+27-6=9x-8x -> 26=x
208+5=234-18-3 -> 213=213
どっちにしろ人数は213人とでる。
問題②:Aさんは自宅から1800m離れた地点へ向かった。はじめは80m/minの速さで歩き、途中から160/minの速さで走った。すると目的地に着くまでに合計で20分かかった。この場合の歩いた分だけの距離は何mになるか?
歩いた時間をxとする場合、以下のように情報を整理できる。
歩いた距離80x
歩いた時間x
走った距離160*(20-x)
走った時間20-x
全距離1800m
前時間20分
これらの値を使って方程式を作るとこうなる。
80x+160(20-x)=1800 -> 80x+3200-160x=1800 ->1400=80x -> 70=4x -> x=35/2 -> x=17.5
80*17.5 -> 8*175=1400
160(20-17.5) -> 16*25=400
よって歩いた分の道のりは1400mとなる。
また、歩いた距離をxとする場合の方程式を作る場合はこうなる。
x/80+(1800-x)/160=20 -> 2x+1800-x=3200 -> x=1400
どちらにしろ、歩いた分の道のりは1400mとでる。
以上です。